「高菜、食べていないんですか!!!!????」

多分、僕の様子を見ていたのだろう。
はい、食べていません。美味しそうですね。と答えた。
すると、「うちの店は初めてですか?(答える間もなく)何故高菜を食べなかったのですか?
スープを飲む前に何故高菜を食べなかったのですか? ルールがあるじゃないですか。
まず高菜を食べるというルールがあるじゃないですか!」
と18センチのまま一気にかましながら、持ってきたラーメンを手放さずにこう言った。

「これをお出しすることは出来ません。マナーに反する人はお帰りください」
唖然とした。「だって高菜を食べていいなんて書いてないから食べませんでした。
じゃあ、今から高菜を食べまくりますよ。で、口の中を高菜だらけにしますよ。
それでも駄目なんですか?」と訊ねたら、また同じことを言われた。
長男を見たら、長男は「あちゃー」という顔で奥でもじもじしている。
そっか、わかった。次は旦那さんだ。3秒ほど無表情で見詰めたら、反応があった。
「お客さんは酒を呑みますか? 酒の肴って知ってますか? 
酒を飲む時に何か食べるでしょう? そういうことです。そんな神経の人に食べてもらっては困るのです」
ここでまた奥さんがかまし始める。
「うちは看板も出さずに必死にやっているのですよ。高菜を認めてくれないなら、やっていけないんですよ。
スープを飲んでからじゃまともに高菜を味わってもらえないじゃないですか? 
そんな人に高菜を食べて味を判断されたら、もう終わりなんですよ、はぁーはぁーはぁっ」